第3章 庭園
驚いた。
突然何を言い出すの。
「え?は、はい。そですね、そうだと思います」
焦るとつい言葉遣いが乱れてしまう。
だって誰が作ったかなんて知らないんだもん。ただ厨房でこれを持っていけと言われたから持ってきたのだ。
「確認してまいりましょうか」
「いや、それには及ばない。しかし、次から菓子はお前が作れ。ペシェ」
「は…?」
おっしゃる意味がよくわからなかった。
「あの、それは、どういう…」
「次から菓子はお前が作れ、ペシェ」
「あの、しかし…」
「ボクに3度同じことを言わせるな」
私は口をつぐんだ。
あまりしつこく尋ねて、死刑にされたらイヤだ。
なんだかわからないけど、とにかく私は菓子を作らなければならないらしい。