第2章 奉公
気まずい…。
ここに来て30秒で領主様の専属使用人を任されてしまった。
なんで?
怖い。
どうしよう。
戸惑いながらうつむいていたら、領主様にグッと顎をつかまれ上を向かされた。
「ウッ…」
「ほう」
領主様は私を値踏みするように眺め回した。
私は黙ってされるがままにしていた。
何を言えるはずもない。彼の機嫌を損ねて串刺しなんてゴメンだ。
でも
「ヒッ」
と、つい口から悲鳴が漏れた。
領主様が、私のワンピースの胸紐を、引きちぎらんばかりの勢いで抜き取ったのだ。
「あっ…や…ヒ」
やめて、と言おうとしたけど、緊張と戸惑いで口がうまく動かない。
死にかけの虫みたいに手足をウゴウゴさせているうちに、ワンピースはパックリと口を開いた。
恥ずかしさで身をよじる。
やっとのことで「領主様」と言葉が出た。
「り、領主さま…お許しを…」
「ボクのことはヤーシュ様と呼ぶように」
ヤーシュ。
確か、領主様のファーストネームだったかしら。ヤーシュ・ズイ公。そうだった気がする。
でも専属とはいえ一介の使用人が、主人を名前で呼ぶなんて恐れ多くない?
「し…しかし…その…」
「ボクのことはヤーシュ様と呼ぶように」
同じ言葉を繰り返しながら、領主は私の下着に手を差し込み、乳房を引き出した。
「あっ…!領主様、おた、おたお戯れを」
「おい、ボクは同じことは3度言わんぞ」
私はこんなにうろたえてるというのに、領主様は無表情で私のふくらみを揉み、弾ませ、口に含んだ。
「ひィやっ…!」
あたたかくぬめる感触に肌が総毛立った。
全身から力が抜け、私は床に崩れ落ちた。
領主様はそんな私を一瞥すると、私の腰と足とに手をかけ、グイと一気に抱き上げた。
「わわっ」
そして私を抱えたまま、執務室の奥にある、こぢんまりしたドアをくぐった。