第8章 7day
「は…?おい!」
はペンギンの手を引きトラファルガーを残して扉を閉めて出て行った。残された彼はただ舌打ちする。
「ったく……ちっとも言う事聞きやしねェ。」
大切なものをまた、ドフラミンゴに奪われるのだけはごめんだ。二度とあんな思いは…。トラファルガーは無意識に唇を噛み締める。是が非でも、彼女が着いてくるのを止めなければ。そう心に誓う。
一方はペンギンと共に甲板へ出ていた。
「私は水を操る事が出来るんです。ロギア系…って言うんですかね?」
「水を?なら海もどうにかできるのか?」
「働き掛けることは可能です。」
は人差し指を海へと向けた。指先をクイッと持ち上げると海はうねり、空気中で大きな水の塊が出来る。
それを見ていたクルー達が何が起きているのかとばかりに集まって来た。
「…なるほど、戦い方はいくらでも有りそうだな。」
「…やろうと思えばこの水の塊をもう少し小さく、幾つも作って人の頭へ飛ばす事も出来ます。」
「水だから簡単に取り払う事も出来ない分、1度捕まれば窒息は余裕だろう。」
「なんだなんだ、の能力か!?」
「そうです。能力を使いこなせるようになって、ローに勝負で勝てたらパンクハザードに連れてってくれると約束したので!シャチも、一緒に考えて下さい!」
「おれも一緒に考えるー!」
「ありがとう、ベポ!」
「ちゃん、キャプテンと勝負すんのか!?」
「面白そうじゃねーか、ちゃんに協力しようぜ!」
「ありがとうございます!」
なにやら面白そうな事が起こりそうな気配を察知したクルー達がやんややんやと集まって来る。はそんな彼らと頭を悩ませながらどういう応用方法があるかを思案した。
トラファルガーは、集まるクルー達を遠くから見詰める。仲間が一人増えて、また随分賑やかになったものだ。そんな彼らと離れるのは些か惜しい気もするが、今企てている計画が己の全てだ。胸元に大きく刻まれたハートを撫でる。
これからは何一つ取りこぼしはしない。無力だった子供の頃とは違う。
「コラさん…。もうすぐだ。」
彼の小さな呟きは誰に聞かれることも無く、消えていった。
それから時間は流れた。夕方になり日も傾き始めた頃、突然ベポが大声を上げる。