第8章 7day
ペンギンから聞いた作戦の意味は理解出来たもののが想像していたこれからの航海とは激しく逸れたものだった。彼女は勢い良くトラファルガーへ向き直ると男にしては華奢な両肩を思いっ切り掴む。
「私も行く!」
「ペンギンの話を聞いてたか?」
「聞いてたけど、納得は出来ません!何で全部1人でやろうとしてるの?」
「1団で行っても警戒されるだけだろう。研究施設内を自由に動き回れねぇと困る。」
「連れて行ってくれないのなら空に帰ります。」
「…その前にそのデケェ翼、斬り捨ててやろうか…?」
「鬼!」
「どの道ガキが出来ればその羽根抜け落ちるんだろう。遅いか早いかの違いだけだ。」
お互い譲らぬとばかりに睨み合いが続く。いつの間にか食堂からはクルー達は消えており残されたペンギンは面倒臭そうに頭を掻いた。
「…、ドフラミンゴはお前を探しているらしい。おそらくその姿もシーザーに知れ渡っているだろう。もしドフラミンゴに連絡を取られてしまえば、危険なのは自分だ。」
「…わかってます。」
「どうしても行くならその翼は余りにも目立つ。キャプテンの言う通り切り落とすか何かしないと一緒には行けない。」
「…おい、切り落としたとしても連れては行かねぇぞ。」
「アンタの恋人でしょう。おれ達に預けずに自分で守って下さい。」
「恋人以前にこいつもクルーだ。おれの指示に従うのは当然だろう。それに、戦えねぇ奴をあんな所へ連れて行けるか。」
「た…戦います。」
「能力も使いこなせねぇだろうが。」
「……じゃあ!私がパンクハザードに到着するまでに戦えるようになったら連れて行って下さい。」
「…フフ、良いだろう。パンクハザードへ着く前におれが直々に勝負してやる。おれが認める程戦えるようになってたら、連れていく。だが認めなかったら大人しく残れ。」
「…わかった。」
は暫しの沈黙を置いてから大きく頷いた。
何故トラファルガーが頑なに1人で行こうとしているのかは分からない。何かしらの考えがあるのだろうとは思う。それでも、何も出来ずただ何ヶ月も待ってばかり居るのはどうしても出来ない。力になれることが有るのなら、なりたいのだ。
「ペンギン!一緒に外に来て下さい!ロー、暫く貴方の部屋には行きませんから!」