第3章 2day
「よろしくなちゃん!」
「天使なんだって!?そりゃ可愛い訳だわ!」
「ずるいよなキャプテン、結局昨日ちゃんを独り占めしてたんだろ?」
わっ、と騒がしさを増したクルーたちには呆気に取られた。天界から特定の島としか交流を持たなかったにとって、誰かに歓迎されるというのは今迄1度しか無かったからだ。胸の奥が擽られるようなこそばゆさに彼女ははにかむ。その表情がまた、クルーを魅了する。
「い…一緒に食べようぜちゃん!」
「色々話聞かせてくれよ!」
「あっ、コラ!は先におれ達が予約済み!」
「うるせーシャチ!直ぐ酒で潰れる癖に!」
「余計なお世話だっての!!つかソレ関係ねーだろうが!」
「悔しかったらオレより飲んでみろよ!」
「上等だ飲み比べだコノヤロウ!!」
ギャーギャーと喚きながら、シャチは他のクルーの元への行ってしまった。べポもペンギンもその後ろ姿を特に止めることはせずに見送る。は僅かばかりに頬を緩め、小さく唇を開いた。
「…ペンギンさん、私海賊ってとても怖いものだと思ってました。」
「…普通そうだろうな。」
「けど、ここの人達は全然怖くないです。明るくて、みんな楽しそうで。」
「戦ってる所を見たらまた印象が変わるんじゃないか?」
「そうかもしれないけど、私が落ちた先がこの船で良かった。」
「…そうか。」
「はい!」
大きく頷いた彼女は見た目に反して何処か子供っぽく、危うさを感じた。良くいえば、純粋無垢、悪くいえば無知。ペンギンはこの先彼女がこの海賊をどう見ていく事になるのか俄な不安を抱きつつ、の頭をそっと撫でた。
「それに、ご飯がとっても美味しいです!やっぱり、地上の食材の方が豊富でいいですね。」
「天界にはあんまり食べ物無いの?」
「そうですね…食べ物が無いっていうより食材がそこまで豊かじゃないので…。この世界程広くはないから。」
「じゃあ、色んなのを沢山食べられたらいいね!」
「はい!」