第3章 2day
どれだけぐっすり寝てたのかを知った所で、彼女は照れ臭そうに頬を掻いた。そこにまた新たな人物が彼女らの元へと歩み寄って来る。その手にはとても美味しそうなパスタやチキン等の乗ったプレートを持っている。
「おはよう、やっと起きたみたいだな。おれはペンギンだ。」
「あ…です、よろしくお願いしますペンギンさん。」
「あぁ、よろしく。…あの騒ぎだと行き辛いだろ。適当に持ってきたから。」
「わぁ…!何から何まですみません、ありがとうございます!」
受け取ったプレートを片手に持ちもう片手にフォークを携えた彼女は器用にパスタを巻き込みパクリと口に運ぶ。まろやかな生クリームの甘みにぴりっとしたスパイスが良く合う。は頬を綻ばせそれを咀嚼した。
「美味しい!」
「うちのコックは腕が良いからな。」
「ペンギンお前…出来る男を装っていい所見せようって魂胆か…!」
「何の話だか。」
「、飲み物もあるよー!お茶もジュースもお酒もあるけど、何がいい?」
「え、わ…悪いですよベポ。自分で取りに行けます。」
「じゃあおれと一緒に行こう?」
きゅるん、としたぬいぐるみのような真ん丸の瞳に強請られて、断れる女の子が何処にいるのか。少なからずには出来なかった。こくこくと首を前後に振る。
「あっ、じゃあおれも!酒切らしたし!!」
「…ならおれも。」
「ふふ、ありがとうございます。」
「ほかの奴らもいい奴しか居ないぜー?」
「…地上に降りてから怖い思いばかりしていたから。」
「そう言えばって天使なんだよね?」
「はい、羽根が治れば何処までも飛べますよ。体力と腕力はとてもあるんです。地上と空を行き来する事があるので。」
「へぇー!スゲーな!」
4人は他愛ない話をしながら甲板へと降りた。新しいメンバーに興味を示さない人間等この船には居らず。やっと、近づいて来たへ我先にとクルーたちが駆け寄った。驚いた彼女は思わずべポの後ろに再びそっと隠れる。それでも、今日から船で世話になる身だ。何も言わないわけにはいかない。1度大きく深呼吸してから、はべポの横に立ち頭を下げた。
「あの…今日からお世話になるです。よろしくお願いします。」