第4章 旅
………。
エ「禁忌を…侵したのか…?」
「…ええ。その代償として、私は聴力を失った」
エ「なあ、セレン…いやレリーフさん?」
「…セレンでいいよ。どうしたの?」
エ「じゃあ…セレン。セレンも手合わせ錬成できるんだよな?」
「…?うん、できるけど…それが?」
エ「その…見せてくれないか?」
「…。いいよ。水と空気、どっちがいい?」
ア「え、2つもできるの?」
「うん。『大空』と『大海』」
エ「…じゃあ…大空で」
私はうなずき、周りを見回した。
ふと、ガラスの灰皿が目に留まった。
これでいいかな。
「じゃあ、行くよ」
手のひらをパンッと合わせ、灰皿に向けた。
ピシピシ…パキィィィン
灰皿が割れた。
「空気はこんな感じだよ」
エ「…すっげえ…」
「空気圧を大きくして圧力で割ったんだよ」
パリン
「空気圧ってすごく重いからどんなものでも壊せる。人間なんか簡単にね」
ガシャン パリン ベキッ
エ「お、おい!!止まれ!!周り!!」
ん?
あ。
大佐の部屋は、ガラスの破片や書類の山で大変なことになっていた。
「ああ、やっちゃった…」
エア「………汗)」
大「…そ~ら~う~み~…」
あ、大佐…。
存在忘れてた…。
「ごめんなさい!!すぐ直します!!」
大「お前、いつも言っているだろう。少しは自分のことを知r
パンッ コォォォン
ん?」
見ると、エドワード君が私が壊した机や窓を直してくれていた。
「あ…いいのに。私、自分で直すから」
エ「大丈夫だって。頼んだ俺も悪かったしな」
…優しいな。
さて。
「大佐。私達を会わせた理由は何ですか?」
大「……。共に旅をすることを勧めようと思ってな。お前達は求めているものは同じだしな」
全「賢者の石…!!」
エドワード君も賢者の石を…。
1人っていうのも気が楽だけど…。
「あの」
エ「なあ」
「あ、はい?」
エ「もし良かったら、これからは一緒に来ないか?」
「へ?いい…んですか?」
エ「ああ。これもなにかの縁だ。一緒に来いよ」
「…じゃあ…よろしくお願いします」