第4章 旅
セントラルにつき、軍本部へ向かう。
鬱陶しいくらい熱血なアレックス・アームストロング少佐に連れられ、案内された。
「今日はなんのお呼び出しで?私、なにかした覚えありませんが」
ア「いやいや。今日はセレン・レリーフに会わせたい人物がいるということでな」
「はあ…」
誰だよ…会わせたい人って。
通された部屋は…ロイ・マスタング大佐の部屋。
大「来たか、空海(そらうみ)」
相変わらずのその呼び名。
嫌なんだけどなぁ…。
「失礼致します。マスタング大佐」
大「相変わらず礼儀正しいな。鋼の。お前も見習え」
え?誰かいるの?
見ると、ソファーに2人の人影。
大「紹介しよう。鋼の錬金術師。エドワード・エルリックと、その弟のアルフォンス・エルリックだ」
鋼の錬金術師…?
私と同じ…史上最年少の国家錬金術師の?
私はソファーの前まで歩いていった。
鎧姿と小柄な男子。
小柄な男子のほうに、
「はじめまして!!私、大空と大海の錬金術師、セレン・レリーフです。よろしく」
そう言って手を出すと、男子は手を握り返してくれた。
エ「俺、鋼の錬金術師、エドワード・エルリックです」
「じゃあ、鎧姿のあなたがアルフォンス・エルリックだね。よろしく!!」
ア「――――」
?
「え、エドワード君、彼今なんて言った?」
エ「え?こちらこそよろしくって」
大「鋼の。空海は耳が聞こえないんだ。だから読唇術を使っている」
エ「へぇ、だったら、アルの言葉は俺が伝えるよ。アル、鎧脱ぎたくない脱ぎたくないって聞かねーから」
ならいいや。
握手しようと手を握った。
…!!
今の…まさか…。
「ごめんね」
謝りながらアルフォンス君の胴体を叩く。
……やっぱり。
「エドワード君、アルフォンス君。その鎧…もしかして中はなにも入ってないんじゃない?」
エア「!!!」
まさか…この人達…。
「…もしかしてあなた達…
…真理を見たんじゃない?」