第9章 第五研究所
アルside
ア「はあっ!!」
66「んぎぃああああ!!」
66とやらの顔面に思いっきりパンチを食らわせた。
「あ……あぇあぃあ…」クラクラ
ア「ごめん、もうちょっと頑張って」
66「くっそー…ちっとは大人しく斬られやがれってんだこのデカブツゥゥ!!」
タッタッタ
遅い!!
出刃包丁をよけて頭を殴りつけた。
すると頭は吹っ飛んで…。
ア「えっ…」
頭をなくしたはずの胴体は、なんの問題もなく動いている。
そして…。
中身はスッカラカンだった。
ア「その身体…」
66「うへへへへ。ちょっとワケアリでな」
66は頭を拾い上げた。
66「そうだ、昔話をしてやろう。お前も聞いたことあるだろ。バリーって名前のオヤジの話だ。
『昔昔ここセントラルに、バリーという名の料理好きのオヤジがいました。バリーは肉を切り分けるのが大好きでした。だがしかし、ある日牛や豚だけでは我慢できなくなったバリーは、夜な夜な街にでては人間を解体するようになったのでした。やがてバリーは捕まりましたが、それまでに餌食となった人間は23人。セントラル市民を恐怖のどん底に叩き落としたバリーは当然絞首刑になりました。めでたしめでたし』
てのが世の中に出回ってる昔話だ。ところが、こいつには続きがあってよ。バリーは実は死んじゃいない。とある場所の番人を任され生きている…ただし肉体を取り上げられてな…」
あア「………」
66「そう!!いまてめえの目の前にいるオレこそ、かの有名な殺人鬼、『バリー・ザ・チョッパー』その人、だぁ!!」
ア「ごめん、聞いたことない」
バ「ガ~ン」
ア「僕、東部の田舎の生まれだから…」
「ちなみに私も知らないわ…」
バ「ちょー!!知らないにしたってこの体見りゃそれなりのリアクションあんだろ!!」カパカパ
バ「もっとこう、『ぎゃーっ』とか、『なんだその身体』とか!!」
ア「………」カパーン
バ「ぎゃー!!!ななな、なんだその身体!!??」
ア「うう…傷つくなぁ」
バ「あ、そっか。死刑仲間か。びびらせやがってぇ」
ア「僕は犯罪者じゃない!!」
バ「あ?じゃあなんでだ?」
ア「ちょっとワケアリでね。身体がなくなった時、兄さんが魂を錬成してくれたんだ」
バ「兄貴?いひひひひそうか兄貴が」
ア「なにがおかしいんだよ」