第9章 第五研究所
エドワードside
しばらく歩くと、なにやら巨大な錬成陣を見つけた。
エ「なんだこりゃ。ひょっとして…賢者の石を錬成するための…」
?「その通り」
!!
?「どこの小僧か知らんが、錬成陣を見ただけでそれがわかるとはな」
エ「なんだぁ?オッサンは」
48「私はここの守護を任されているもの。とりあえず、No.48と名乗っておこうか。ちなみに、オッサンではない。ここに入り込んだ部外者は全て排除するよう命じられている。悪く思うな、小僧」
エ「…そっちこそ」
パンッ コォォン
エ「小僧に倒されても悪く思わないでくれよ」
48「むう?錬金術師か」
シュッ
エ「なっ…」
48「どれ、手並み拝見」
速え…!!なんつー速さだ。
シャキン!!
エ「くっ…」
カイィン
48「義手で命拾いしたな!だが!我が愛刀は鋼さえも貫く!!」
ガキィィン
オートメイルで刀を弾き返し、踏み込んだ。
エ「うおらっ!!」
コォォン
エ「!!」
今の空洞音…、コイツ…。
エ「おいおいおい、ひょっとしてオッサン、そのなか空っぽじゃねえの!?」
48「よく気がついたな」
エ「あんたみたいなのとしょっちゅう手合わせしてるんでね」
48「ほう、表の世界にも私と同じのがいるのか」
エ「へっ…イヤになるねぇ…。俺以外に魂を鎧に定着させようなんて考える、バカがいるなんてよぉ………」
48「フッ。改めて名乗ろう。48は死刑囚ナンバー。生前と言うべきか、生身の身体があったときは殺人鬼『スライサー』と呼ばれていた」
エ「やっぱ死刑囚か。なあ、ここでは死刑囚を材料にして賢者の石を作ってるんだよな?」
48「それには答えかねる。私はただ腕を買われてこの体を与えられ、ここの番犬につかされてるだけだ」
エ「てことは、魂と鎧を仲立ちする印がどこかにある」
48「そう、その通り」
48とやらは頭の部分を開いて中を見せた。
中には血印があった。
48「この血印。これを壊せばお前の勝ちだ」
エ「弱点を教えてくれるとは親切だな」
48「私は戦いに緊張感を求めるタイプなのでな」
エ「親切ついでに見逃してくれない?……なんつってみたり」
48「殺人鬼が目の前の獲物を黙って見逃すわけなかろう?」
カチャ……
48「いざ…参る」