第8章 隠された真実
~5日後~
ドサッ
シ「ティム・マルコー氏の研究書の複写です」
おお~…
シ「すみません、かなりの量だったもので、5日もかかってしまいました~」
ア「世の中すごい人がいるもんだね、兄さん…」
エ「これ、本当にマルコーさんの…?」
シ「はい!間違いありません。ティム・マルコー著、〈今日の献立1000種〉です」
ガーン
ロ「砂糖大さじ1に、水少々加え…本当に今日の献立1000種だわ」
ブ「君、これのどこが重要書類なんだね」
シ「そんなこと言われても、私は覚えたまま写しただけです」
ブ「どうやら、とんだ無駄足だったようですね」
シ「あ………」
エ「これ、マルコーさんの書いたものと一字一句間違いないんだな」
シ「あ、はい!!間違いありません!!」
「あなたすごいです!!ありがとう!!」
エ「よし、これ持って中央図書館に戻ろう」
ア「うん」
「あそこなら関連書が揃ってるしね!!」
エ「ああ、おっと。お礼お礼」
あ、そうだ。お礼しなくちゃ。
サラサラ
エ「ロス少尉」
「これ、私達の登録コードと身分証明の銀時計です」
エ「俺達の年間研究費から、そんだけ引き出してシェスカに渡してあげて」
ロ「はあ…大総統府の、国家錬金術師機関に行けばよろしいのですね」
エ「そういうこと!!シェスカ、本、当にありがとな!!じゃっ」
ブ「本当に、こんな料理の本が、錬金術の研究書なんですか?」
エ「錬金術って、悪用すると危険な技術なんだぜ。それを防ぐためには…錬金術研究の暗号化だ」
「一般人には、ただの料理研究に見えても、そのなかみは書いた本人にしかわからない、高度な錬金術書ってわけです」
私は、アルと本を探しながら言った。
ブ「書いた本人にしかわからないって、そんなのどうやって解読するんですか?」
エ「知識とひらめきと…あとはひたすら根気の作業だな」
ブ「はあ…気が遠くなりそうですね…」
エ「あっ!!アル、セレン。鳩料理の項目があるぞ」
ア「鳩?それってもしかして…」
エ「ああ、緑の獅子。哲学者の月のことかもしれない。フランメルの本か、ラムズプリングの賢者の石について、持ってきたか?」
あア「もちろん」
「見て。ここもそうじゃない?」
ア「そうだね!!ここもそうかもね!!」
エ「ああ、よし。やってやるぜ!!」