第7章 希望の道
エドワードside
マ「そうか…禁忌を侵したか…」
アルを覗き込みながらマルコーさんは言った。
マ「驚いたよ。特定人物の魂の錬成を成し遂げるとは…君なら、完全な賢者の石を作り出すことができるかもしれん」
エ「じゃあ…」
俺は喜びかけたが、
マ「資料を見せることはできん」
エ「そんな!!」
マ「あんなもの求めてはならん!!」
エ「体を取り戻すためでもか!?」
マ「ダメだ!!あれは悪魔の研究だ!!知れば地獄を見ることになる!!」
エ「…っ!!地獄ならとうに見た!!!」
マ「!!…ダメだ。帰ってくれ」
エ「…っ」
アルもセレンもうなだれていた。
けど、俺は自分でも驚くような事を口にしていた。
エ「じゃあ…マルコーさん。ひとつ頼みがある」
マ「…?」
エ「セレンは、今、耳が聞こえないうえに手足を骨折している。それを治してやってほしい」
少ア「…!?」
少佐もアルも絶句していた。
耳が聞こえないセレンは、周りの状況に気付いていない。
それを見て、より強く治してやりたいと思った。
マルコーさんは、しばらく考えていたが、ついに、
マ「……わかった。資料は見せられんが、代わりに君の頼みをきこう」
マルコーさんは、床に錬成陣を3つ書き、セレンの不自由な部分を乗せた。
セレンはワケがわからず、唖然としている。
マルコーさんは、右手、左足を治すと、賢者の石を取り出した。
セレンはさらに愕然とした。
「マルコーさん、なにを…」
マルコーさんは、頭の部分で錬成を行った。
赤い錬成光。
錬成光が消えたとき、セレンは金縛りにあったようになった。
マ「…聞こえるかい?」
「っ!!!!」
セレンは耳を押さえて呆然とした。
「な…なん…で?マルコーさん…」
マ「…彼の頼みだよ」
マルコーさんは俺を見た。
セレンはもう何がなんだかわからない、といった様子だ。
少「さ、そろそろおいとまするとしよう」
少佐の一言で、俺達はマルコーさんの家を出た。