第6章 哀しみの雨
ア「生きて生きて生き延びて!!もっと錬金術を研究すれば、元の体に戻る方法も、ニーナみたいな子を救う方法も見つかるかもしれないのに、その可能性を捨てて死ぬほうを選ぶなんて、そんなマネ絶対に許さない!!」
ガシャン
「!!!!」
無事だったアルの右手は、無理をしたせいでもげてしまった。
ア「ああ!!右手もげちゃったじゃないか!!兄さんのバカたれ!!」
エドはがくっとうつむき、そして言った。
エ「…ボロボロだな。俺も、お前も、セレンも。カッコ悪いったらありゃしねえ」
私にはアルの言葉は聞こえなかったしわからなかった。
けど、エドへの強い思いは伝わってきた。
逆もまた真なり。
本当に仲の良い兄弟ね。
私はエドの言葉に笑って答えた。
「ええ。そうね。私、生身の体を二カ所も骨折したからこの中で一番重傷だよ」
ア「でも生きてる」
エ「うん。生きてる」
「ええ。生きてる」
曇っていた空に日が差した。
気付くと、ホークアイ中尉がエドのそばにいた。
アームストロング少佐がアルの肩に手を置き、私のそばには頭を書いているハボック少尉が立っていた。
――――――
マスタング達side
ヒ「まったく万国スペシャルびっくりショーだな、こりゃ」
大「すまん」
ヒ「OK。上には内緒にしとくさ。バレたら色々厄介なんだろ?」
大「ああ。兄はともかく、弟の身体は言い逃れができんからな」
ヒ「…それにしても、厄介な奴に狙われたもんだ」
大「イシュバールの民か…」