第6章 哀しみの雨

すぐにその人は向きを変え追いかけて来た。

エ｢…ちっ…｣

エドがすかさず錬金術で壁を作った。

エ｢なんなんだ、いったい｣

コォォォン

ドゴーン

アエ｢うわぁ!!｣

｢きゃあ!!｣

カッカッカッ

な、なに…この人…。

に、逃げなきゃ…

エ｢アル、セレン、逃げろ!!｣

ダダダダダダ

階段に来た。

ドゴーン

壁の一部が崩れ、追手が先回りしてきた。

？｢逃がさん…!!｣

コォォォン

ガラガラガラガラ

階段が崩れ落ちた。

アエ｢うわっうわあぁああぁ!!｣

｢くぅぅっ｣

パンッコォォォン

投げ出された私は、なんとか雨の水分を圧縮し、足場を作った。

見ると、アルとエドが、瓦礫にぶら下がっている。

ア｢兄さん!!｣

追手は容赦なく瓦礫を破壊していく。アルの掴んでいた瓦礫も崩れ、アルとエドは落ちた。

｢アル!!エド!!｣

パンッコォォォン

間に合え―――!!

アルとエドが、地面に叩きつけられる寸前、私はどうにか空気を圧縮させ、ダメージを軽減した。

追手はなお追ってくる。

エ｢アル、つかまれ!!｣

エドが瓦礫を錬金術で伸ばしたが、なんなく追手に砕かれた。

エドとアルは投げ出されたけど、走り出した。

私も飛び降りて合流した。

エ｢ちくしょう、なんだってんだ!!人に恨みを買うようなことは…いっぱいしてるけど、命狙われる筋合いはねえぞ!!｣

｢私はしてないけど右に同じくっ!!｣

路地に入ると、追手に逃げ道を塞がれた。

全｢うっわぁ!!｣

エ｢いって…。!!あんた何者だ。なんで俺達を狙う!!｣

？｢貴様等作るものがいれば、壊すものもいるということだ｣

エ｢…やるしかねえってか｣

エドは鉄パイプをナイフに変え、アルも身構えた。

私はその辺から長い鉄パイプを拾って構えた。

私もさりげなく武道は得意なのだ。

？｢…いい度胸だ…!!｣

私達は同時に飛びかかった。

エ｢うおおお!!｣

ア｢はあああ!!｣

？｢…だが…遅いっ…｣


コォン パァァァン


ア｢……!!｣

あエ｢アル!!｣