第5章 錬金術師の苦悩
~また次の日~
ア「こんにちは、タッカーさん!!今日もよろしくお願いしま~す」
返事がない。
ア「あれ?」
「でもいるはずだよ。気配がある」
ア「タッカーさ~ん」
エ「おーい、ニーナ?」
……!!
「研究室よ!!」
ガチャッ
ア「タッカーさん」
エ「なんだ。いるじゃないか」
タ「…やあ」
な、なに?この笑みは…。
タ「できたよ。完成品だ。人語を解する…キメラだ」
全「!!」
タッカーさんの足下には、犬のような形の生物がいた。
タ「いいかい。この人は、『エドワード』と『セレン』」
キ「…えど…わーど?せ…れん?」
「ねえ、エドワード君。今この子、エドワード、セレンって言ったの?」
エ「ああ。すげぇ、ほんとにしゃべってる!!」
私達は興味にかられ、このキメラを見つめた。
このときはわからなかった。
このキメラの気配のなかに、
・・・・・・・・・・・2つの気配が混じってい・・・・ たことを。
タ「ははっこれで、査定を通れる」
キ「えど…わーど…せ…れん…えど…わーど…せ…れん………お兄…ちゃん、お姉ちゃん…」
あエ「っ!!!!!」
今の…読みとり違いじゃないよね…?今、私達を…お兄ちゃん、お姉ちゃんって、言ったよね…。
ま……さ……か…
エ「タッカーさん。国家資格取ったのいつだっけ?」
エドワード…君?
タ「えっと…二年前だね」
エ「奥さんがいなくなったのは?」
タ「…二年前だね」
エ「もひとつ質問いいかな。ニーナとアレキサンダー、どこへいった!!??」
ア「あっ!!」
タ「…君のような勘のいいガキは嫌いだよ!!」
ダンッ
エドワード君がタッカーさんを壁に叩きつけた。