第2章 落翠
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昨日はあの後、子供達からの怒涛の質問攻めが続いて、終始たじたじだった
『どっちから告白したの?』
『どこが好きになったの?』
『もうちゅーしたの?』
否定しようが無視しようがお構いなし
何を言っても盛り上がって収拾がつかない状態で
なんと言うか、今時の子は恐ろしい…
それにしてもそんなに興味を持ってもらえるとは
正直、こんなに長く子供達と話したのは初めてかもしれない
きっかけはどうであれ、乱歩さんのお陰…なのかな
で、その乱歩さんはと言うと、運んできたマフィンと紅茶を一気に流し込んで、早々に帰ってしまった
いつも飄々としている態度からは想像出来ない反応を、表情をつい思い出してしまう
戸惑うように震えた翠色の眼が、とても奇麗だった
どんな顔して会えばいいんだろう
…乱歩さんはどうするんだろう
これまでと変わらずに接してくれるのかな
いや、もうここへは来てくれないのかもしれない
面倒なことに巻き込まれたと思って嫌になったかも
どうしよう……
ずっと頭から離れなくて
無限ループの様にぐるぐると回る思考の中
一晩たくさん考えて考えて
次の日を迎えたら
乱歩さんは
普通にいました…