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シュガーポット、時々レモン

第1章 路地裏イチャイチャ in ヴラッド・ガーファンクル



「....ヴラッド......?」

トンへにじり寄り、壁際まで追い詰めて両手を付き、退路を絶つ。

「ちょ..と.....っ」

「私は、吸血鬼だ。今ここで約束を破り、お前の血を吸って眷属(けんぞく)にしてしまうことも出来る」

「ン.....ッ」

呼吸をするように言葉を囁き、首筋にある血管の辺りをなぞる。100年ぶりに嗅ぐ血液の匂いで、ヴラッドの吸血欲がジリジリと上がっていく。

「....お前を、リージャンの二の舞にはしたくない。あの時、私がリージャンの血を吸っていれば、リージャンが居なくなることもなかった。同じ過ちを、二度も繰り返したくはない」

「.......ヴラッドは、おばあちゃんの事、」

「生憎だが、私は人間の感情を持ち合わせていない。仮に好きという感情を持っていたとしても、100年も前の事だから覚えていない」

「....それは嘘。ヴラッドは、おばあちゃんの事が好きだったのよ」

トンの言葉に、ヴラッドが少しだけ体を引く。
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