第1章 路地裏イチャイチャ in ヴラッド・ガーファンクル
「ホントに...。すぐに無茶をするのはリージャンにそっくりだ」
「いくらそっくりでも、私とおばあちゃんは違う。一緒にしないで」
晴れた月明かりが街に影を生み、二人のいる路地裏は、光から分断されている。
「一緒になどしていない。似ていると言われるのが嫌なら、少しはお淑やかにしたらどうなんだ?店でウェインと待機しろと、何回言えば、」
「そんなの私じゃない!」
「.......」
トンの前髪が、一部メッシュのように紅く染まっている。リージャンが居なくなった時も、こういう小さな変化から始まっていた。
「私は、シャー・リージャンじゃない。バイルー・トンなの。.....昔は、自分じゃどうしようもない事ばっかりで、何もできない自分が嫌いだった。でも今はおばあちゃんの指輪があるから戦える。だから戦いたいの!」
トンが、揺るがない意思をヴラッドに伝える。ヴラッドには、それさえリージャンが重なって見えた。
「....トン」