第1章 路地裏イチャイチャ in ヴラッド・ガーファンクル
「...私だって、消えたくない。みんなと、これからもずっとカフェ・フォービドゥンで働きたい。もちろん、シンヤオも。だけどね、ヴラッド。私には、守りたいものがある。この力は、そのためにあるんだって信じてるの。....それが私なの」
「トン...」
(まるで、リージャンと話しているみたいだ。やっぱりお前は、リージャンの生き写しだな....)
「....分かった」
込み上げてくるものを隠し、ヴラッドがトンから離れる。
「なら約束を。2度と無茶な力は使わない。破ったら容赦なくお前の血を吸い、私の眷属にしてしまうからな」
「うん。約束する」
光を宿した目をヴラッドに向けて、トンが頷く。かつて最強にして伝説のアンブラハンターと言われた、シャー・リージャンと同じ目をしていた。
「帰ろ、ヴラッド」
もうすぐ、夜が明ける。
完