第7章 路地裏イチャイチャ in 佐助
一通り出し終えると、それを囲むように武将たちが集まってくる。
「これは何だい?」
「あ、それは友達のお土産でもらったんです」
袋から中身を取り出すと、小さな包みを開いて見せる。広げたビニールには少し溢れたきな粉が落ちていた。
「桔=ズキューン=餅って言って、信州の名物なんですよ」
「桔=バキューン=餅!?」
信玄の名を冠した名物と聞いて、武将たちが色めき立つ。信玄に関しては、食べたそうに晴美を見ている。
「でも、期限が....」
「それなら大丈夫だと思うよ。だって500年先だし」
「....そういう問題?」
躊躇する晴美に対して、佐助が飄々と答え、勝手に黒蜜をかけて信玄に差し出した。
「旨い!さすが俺の名を持つ餅だ!」
みんなが一切れずつ信玄餅を食べている中、三成は別のものに興味を持った。
「こちらは何ですか?」
「あっ、引っ張っちゃ」
パッチンッ!!!!
「いったぁぁっ!!」
慌てて持っていたものを放り投げて手をブルンブルン振る。
三成が手を出したのは、引っ張るとバネが外れて指先を挟むオモチャのガムだった。
「ダメだって.....」
「うぅ...痛かった....」
「バカじゃないの」