第7章 路地裏イチャイチャ in 佐助
それは安土城へ向かう途中のこと。
現代仲間の佐助と晴美は、人目を忍んで路地裏にいた。
「......急にキスして、ごめん。着いたら出来ないから....」
「ん...分かってる。....でも、急に何だろうね?私の持ってたものを見せろ、なんて....」
晴美が訝しげに首を捻る。
持ってきたのは、本能寺へ飛ばされたあの日、抱えていたバッグだけだった。
「信長さまは何にでも興味を示すからね。前に一度、俺の私物を見せたら、これは何だ?どう使うんだ?って、全部説明するまで帰してくれなかったよ」
「クスクス」
行こうか、と晴美の手を取って、二人は安土城の門を叩いた。
大広間に案内されると、そこには安土勢以外に春日山勢の面々と、顕如もいた。
「揃ったな。以前、佐助の荷物を検分した時に色々と面白いものを見つけてな。同じ時代を生きてきた晴美の持ち物も見たくなったのだ」
信長がニヤリと笑い、全員が荷物への興味を隠さない。気重になりながら、晴美はバッグの中を探り始めた。
「面白いものは無いと思いますけど.....」