第6章 路地裏イチャイチャ in ドーラ
「これだから海賊は嫌いなんだっ。見境なく酔っぱらいやがって!」
ブツブツと恨み言を垂れながら、割れた酒瓶をホウキでかき集め、食器を片付け、床にモップをかける。
仕上げにゴミをひとまとめにして、路地裏へ出る店の裏口から捨てに行く。
音に驚いたネズミが、慌てて穴蔵へ逃げ込むのを気にもしないで、ゴミを積み上げる。
「よぉ」
「....あんた、さっきのやつか。何の用だい」
「さっきは悪かったな。店ん中で暴れてよ」
謝りながら頭を下げる新顔に、ドーラは戸惑った。今まで好き勝手暴れてきた奴らは、一人として謝ったことなどない。
「あんた、何でこの町に来たんだい」
「俺ぁ、ある宝を探してる」
「...ある宝?」
「ラピュタ。ラピュタの財宝だ。そのために、船を作ってる。空へ飛ばすんだ!」
「.....ぷっ。あっはははははっ。やっぱり海賊はバカだね!あれは空想の話じゃないか!」
「かもしれねぇ。けど、あるかもしれねぇ。それを、この目で確かめに行くんだよ!ドーラ!一緒に来ねぇか?お前がいりゃあ、怖いもんなしだ!」