第6章 路地裏イチャイチャ in ドーラ
今夜もまた、図体のデカい海賊たちが店を占拠し、ありったけの酒をかっ食らう。
陽気に酔っているうちはまだいい。
限度を弁えないのか知らないのか、泥酔したヤツほど喧嘩っ早くて手に負えない。
パリーーンッ!!!
「んなろテメェ、もっぺんいってみろぃック」
「お前ぇにゃ、あの宝はもったいねぇって言ったのよ。耳までバカになったか?酒で頭ぶっ壊れてんのか?」
(あ~あ~、またおっ始めやがって。誰が片付けるんだい、全く!)
「おっ、いいぞ~、もっとやれぃ!」
「がはははっ!賭けるか?おい、賭けるか?」
突然の乱闘で外野が騒ぐなか、泥酔して正体不明になった若い海賊は、鼻の頭まで真っ赤にして管を巻き、焦点も定まっていない。
寄り掛かるようにして胸ぐらを捕まれているのは、ここ何日かよく見かける新入りだ。
「あんたたち!!暴れんなら外に出な!!!」
「お~ぅ、おっかねぇぇ!わははははっ」
「ドーラが怒ったぞ~!がははははっ」
酔っ払いたちが一斉に囃し立てる。
いよいよ頭にきたドーラは全員を叩き出してやろうと、ホウキをひっ掴んでカウンターから出た。
そうして、文字どおり全員をホウキで叩き出すと、わざと大きな音を立てて鍵をかけた。