第4章 路地裏イチャイチャ in 政宗
「まさむね?........ちょっと、こっち」
晴美に引っ張られて、薄暗い路地裏へ入り込む。人気のない路地裏に、虫の声がする。
「そんな顔して...なんかあった?」
柔らかい、小さな手が頬を包む。
真っ直ぐ見上げる優しい目の中に、俺がいる。
「.....なるな...」
「え?」
「...居なくなるな。頼むから....」
目の前でぼやける晴美に、居なくなったあの日が重なる。
ひょっこりと、どこかから出てくる気がするのに、いつまで経っても独りのままで。
名前を呼んでも、手を伸ばしても、晴美がどこにもいなかった、あの毎日。
「独り、に.......ッ」
しないでくれ――――――