第3章 路地裏イチャイチャ in リヴァイ
右手でグッと拳を握り込み、胸を張って心臓を捧げるポーズをする。リヴァイは腕組みしたまま動かない。
「.............」
「....ぁ...あの......?」
「掃除は上から順番にが基本だ。下から始めると落ちてきた埃でまた汚れる。上からブラシをかけ直せ」
「は、はいっ」
デッキブラシを持ち直し、ゴシゴシと上の方から擦っていく。すぐそこでリヴァイが見ていると思うと、余計に力が入る。
ゴシゴシゴシゴシゴシゴシ...
(はぁあーっ、リヴァイ兵長とっ、ととととっ、はぁあーっ)
「――ぃ」
ゴシゴシゴシゴシゴシゴシ!
(頑張って綺麗にしなきゃ!兵長の班に入りたいっ!)
「――い」
ゴシゴシ!ゴシゴシ!
(そのために調査兵団になったんだものっ!!)
「おい」
(え.......?)
不意に、晴美の視界へ2本の手が入り込み、ブラシを持つ手を握られる。
「力みすぎだ。これじゃ落ちるもんも落ちねぇ」
耳元でリヴァイの声が囁く。
心臓が跳ね上がる思いで首を捻ると、すぐそこにリヴァイの顔があった。