第11章 銀さん(銀魂)
次に、お妙が働く「すまいる」に向かった。
「あら、銀さん、どうかした?」
丁寧にまた話しをした。今度はボッコボッコに殴られる結果になった。何でエェェ!俺、ただ聞いただけなのにィィ!
ストーカーにも聞いた。興奮するやら放置プレイやらよく分からない事ばっかり言いやがって。
とりあえず、一通り片っ端から聞いて回った。
誰も知らないと首を横に振る。
テレクラにも、スナック、吉原、パチンコ、町中探したが、やっぱり今日も見つからねー。
あーどこにいんだよ。出てきてくれよ。銀さんもう降参するからよ。頼むよ。三千円あげるから……。
苛々しながら頭を、かきむしり下唇を噛んだまま、下を向いていた。本当にもういないのか?もう本当に会えないのか?
「…………くそっ…」
とりあえず、甘いものが必要だ。糖分を摂取したくてたまらねー。目の前にある定食屋に、久しぶりに入る事にした。
「親父、いつもの頼む」
「はいよ」
オヤジに飯を頼み、いつも座るカウンター席に腰掛ければ、女の声が聞こえる。
「……あら、坂田さん久しぶりね」
定食屋でバイトで働く女が話しかけてきた。いつも薄化粧に黒髪に一つ括り。着物もシンプルな物ばかりの色気のねー女。コイツは違うな。髪は栗色だからな。
「そーいやそうか。最近パチンコもしてねーし、何にもやる気起きねーんだよ」
肘打ちしながら気怠く喋って、出された茶を飲んで、ぼぅとした。糖分を補給したら、再開だな。
「ヘイ!宇治金時丼、一丁!」
「おう、サンキュー」
どんぶり鉢を持ち、がつがつと口に入れて、次はどこへ行って探そうか考えていた。食べながら店内を見渡す。
閑古鳥が鳴いちまうぞ。1人か2人だけの客しかいねー。壁の時計を見た。2時過ぎ。ランチの時間はとっくに過ぎていた。
定食屋のバイトの女が、ボケーっと突っ立って暇そうだから、話をかけた。
「最近よー、すんげェェ良い事があったんだけどよ、そいつどこ探してもいねーのよ。めちゃくちゃどエロい女でさ、良かったんだけど次の日いねーのよ。ひどくねー?」