第11章 銀さん(銀魂)
とにかく探した。
まず、真選組の屯所へ向かい、そこでたまたま出て来た暇そうな奴に尋ねた。
「総一郎君、君に聞きたい事がある」
俺は丁寧に女の特徴を事細かく説明してから、もう一度確認した。
「ーーという女なんだが、この真選組にそういう女はいるか?というか知らない?三百円あげるから、頼むわ」
総悟君は有り難い事に、俺の話を真剣に聞いてくれていた。だが徐々に悩んだ表情を浮かべて、腕組みをしながら顔を傾げる。
「とりあえず真選組にゃそんなメス豚いねェでさァ」
「そうか……いないか、いやメス豚じゃあなくて、女の子ね。まー仕方ねーな、他を当たるか」
頭をかいて、行こうとすれば、総悟君が喋りだす。
「ーー旦那、俺も一緒に探しやすぜ、そんなエロい女ァ。見つけたら俺が優しく調教して、アンアンヒーヒー言わしてやらァ」
目をギラリと光らせ、口を歪ませながら笑う沖田総悟君は、俺の肩をぽんぽん叩く。
「オイオイ、総悟君。いーよ!おかまいなく!」
「旦那だけ良い思いしようなんて、狡いでさァ。俺も混ぜてくだせェよ。3Pでも構わねェすよ?なに、ちょいと拘束しながらプレイするだけでさァ」
目を据らせながら、クククっと笑い震える。俺の優しい暖かい心はサァーっと引いて、背筋が凍った。
「…………あれ、俺の夢かな?気のせいだったみたいだ。忘れてくれ」
コイツに聞いたのは間違いだ。気になる女に口枷(くちかせ)付けられて、木馬責めされちまう。これは古いか。あれだ、首輪かけられて散歩させられちまう。
総悟君とは話をしていないし、この場にいなかった事にして、歩を進めた。
「あれ、旦那ァ、どこ行くんですかぃ?見つかったら教えてくだせェよ?俺も他の野郎呼んで捜索しま……って、ちょっ、旦那ァァ??」
「ホントいいから!じゃ!!」
瞬足でその場から逃げた。遠くから喋る声が聞こえる。俺は無視を決め込めて、全速力でその場を離れた。
冗談じゃねーよ、アイツのサディストに火つけちまった。欲望丸出しじゃねーの?恐い恐い恐いんだよ!