• テキストサイズ

【NARUTO】他。短編集

第1章 路地裏inアンアン…?♡カカシ先生


「分かったから、もう分かった。降参するから。それ以上泣くな、花奏」

「っ!!カカシ先生、一人の女として、これからは私を見てくれるんだよね?」

「ああ、ちゃんと見てやるから。お前は本当に可愛い奴だな、我慢出来ないよ」


いつもの優しい言葉を口にしながら、ゆっくり振り返り、こちらに身体を向けた。だけど、その顔はいつも私に向ける教師の顔ではなかった。


今まで一度も私に見せた事が無い

情欲に濡れた男がその場に立っていた。



「だいたい、それ影分身だよ?」

「っ!!!」

不意打ちをかけるように、真後ろから声をかけられ、私は身体を竦めてびくりと肩を揺らす。呆気なくカカシ先生に後ろを取られてしまう。

激しく心拍数を上げながら、ゆっくり、ゆっくりと、体ごと向きを返れば、真後ろにカカシ先生がいた。


「っ!!!や、やだなぁ、カカシ先生、影分身なんか使っちゃって……今は本物なんだよね?ビックリしちゃうから。背後になんて立たないで下さいよ。」

恥ずかしいのを隠すように平然と話しかけるが、心臓は煩く鳴らしている。


その声に反応するように術を解いた音が背後から聞こえた。

今まで私が告白をしていた男は影分身で、二人の様子を背後からカカシ先生は一部始終 漏らさず見ていたようだ。

なんつー悪趣味な人。やはりこの先生は一筋縄ではいかなかった。何かしら意地悪をしてくるとは思っていたが、案の定やられた。

優しいのに、たまにこうやって意地悪をしてくる悪い先生。

「何言ってんの。忍が後ろを取られちゃダメでしょ?ま、オレも気合い入れて気配を消してたからね、気づけって言われても中々無理な話なんだよね」


「…………カカシ先生……近い…んですけど……え?」

今までの姿とは全く違う上機嫌な様子だ。

まるで、ずっと抑えていたものを解き放ったような……こんな姿を生徒に絶対向けない。興奮に満ちた瞳を私に露呈している。

カカシ先生は薄く目を細め、見下しながら、後ろに尻込みしていく私との距離を、徐々に、じわりじわりと縮めていく。


ここは薄暗い人気のない路地裏、そして行き止まり。後ろには大きな壁。


逃げ場はない。


袋のネズミは私。


一瞬にして、立場が逆転していた。

/ 209ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp