第1章 路地裏inアンアン…?♡カカシ先生
身体を動かすぐらい、大きな大きな深呼吸を行い、自分自身を落ち着かせようとしている。明らかに戸惑い、動揺するカカシ先生。
まさか溜息をつかれるとは……
次の瞬間、ある言葉が頭に入った。
私の気持ちなんか「迷惑」
そう背中から聞こえてきそうだった。
カカシ先生は、何度も息を吐いたり、空を見上げたり、下を向いたり、頭に手を置いたり、後頭部をかいたり、背後からでも充分に伝わる、忙しなく落ち着かない行動をしている。
厄介な事が舞い込んできた…とか思ってる?
カカシ先生は、先ほどから、私の告白に、困ったような仕草をずっとしている。
その姿を見て、だんだん恥ずかしくなった。私の告白は、カカシ先生を困らせてしまう、自己満足で幼稚な告白なんだって知ってしまった。
わかってるよ、カカシ先生はモテるし、私なんか端から相手にされないって事ぐらい知ってる。
わかってる、気づいているよ、私が子どもで、全然魅力を感じないって事も全部分かってる。
だけど、だけど、それでも好き、先生が好き、もう……止まらない。
深く、根底には抑え切れない感情が洪水のように溢れ出す。
「カカシ先生、私は心変わりなんかしない、本気で好きなの。やっとここまで成長したんだよ。今から女として私を見てよ。身体だって、大人と同じ、ホラ見て?私じゃダメ?私じゃ先生に全然釣り合わない?やっぱりこんな事言われたら迷惑??ねぇ答えてよ、お願いだから私をちゃんと見てよ!!」
愛の告白していたはずなのに、なぜか最後の方は泣き叫んでいた。
頬に熱く伝うモノなど気にせずに、ひたすら強く強く気持ちを伝えれば、耳に聞こえてきた声色は、カカシ先生の溜息が混じる諦めた声だった。