• テキストサイズ

【NARUTO】他。短編集

第6章 我愛羅さま


2人がやっと帰ってきた。

「また、後日、正式文書で送るようにする。わざわざ此方まで出向いてもらって感謝する。ありがとう」

我愛羅さまが落ち着いた声で、お見合い女性に声をかける。

「素敵なお時間をいただき、ありがとうございました。どうぞお元気で」

2人共、柔らかな笑顔だ。みんな笑顔なのに、私だけ引きつった顔をしてさよならをしていた。





ーーーーーー

我愛羅さまは、ふぅと溜息をついて風影室に戻り、席に座る。

私は前に立ち…黙って見ている。
何かを発する勇気は無かった。

「花奏、すまない。色々と準備をしてもらって助かった」

「いえ、とんでもございません。我愛羅さまの為なら…、何でもやらせていただきます」

徐々に歯切れが悪くなっていくのが自分でも分かった。震えている。

今、私は心拍が跳ね上がっている。

次に、どんな言葉が我愛羅さまから出てくるのか、不安で不安で仕方ない。聞きたくない。


「花奏、今日は色々考えさせられた日になったよ」

「さ、左様でございますか……」

「ああ。気持ちがとても晴れ晴れしている。なぜかわかるか?」


「お、お見合いが良かったから……ですか?」
口角を一生懸命にあげた。力を入れていないと、笑う事が出来ない。こんな言葉を言いたくない。仕事だろうが秘書だろうが、喋りたくない。


「モミジさんと、話をして己の気持ちに気付いた」

我愛羅さまが私を見つめて、核心の話を始めようと、口を開いた。

/ 209ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp