第1章 路地裏inアンアン…?♡カカシ先生
カカシ先生は、第七班の担当上忍で、私の先生。いつも助けてくれて優しくて頼りになる私の憧れの人。
だけど、素顔は見せてくれない。全然、口布を取ってくれない意地悪な先生。
急に手を繋いできたり、優しく頭を撫でてくれたり、私が泣いた時は、そばにいて慰めてくれたり、本当に優しい。
いつも私に対して、他の人とは違うんじゃないか、特別なんじゃないかって、つい勘違いしちゃうような事ばかりしてくる、少し困った先生。
背が高くて、柔らかな銀色の髪、後ろから見える斜めに付けた額当ては、ちょっと可愛い縦結び。任服を着て、両手はいつものポケットの中。
いつもと何ら変わらないカカシ先生。
態度や顔つきが、何か今日は全部違う。
「今日は何歳?って聞かないんだね」
私が空元気に笑い、少し斜めに体重を傾ける大きな背中に、私は見上げながら強調するように声をかけた。
カカシ先生は、昔から私の年齢ばかり気にしている。
毎年誕生日にしか年齢は上がらないんだから、意味が無いし変わらないのに何故か聞いてくる。
私が馬鹿正直にちゃんとした年齢を毎回伝えれば、溜息をついて、なぜかどんどん機嫌が悪くなる。本当によくわからない先生。
ずっと黙ってカカシ先生の声を待っていれば、いつもと同じ、優しくて低い声が聞こえてきた。
「……十七歳になったんでしょ?」
「あ、はい!カカシ先生も三十一歳ですよね、おめでとうございます。」
「ああ、うん、ありがと」
そう、実はカカシ先生と私は偶然にも同じ誕生日。九月十五日が産まれた日。だから年齢を聞いてくる意味が理解出来なかった。
やっと返事が返って来たけど、本当に冷たい。こんな言い方私に対して絶対しないじゃん、酷いよ。今から私がしようとしてる事、知ってるの?だから、こんな酷い態度を取っているの?
だけど、ごめんね、カカシ先生。
私は一つも諦める気が無いんだよ。
そう熱く決意を固めながら、先生の背中を強く見ていた。