第2章 路地裏inイチャイチャ カカシ先生
心臓が走り出すように打ち響く。
照れて、つい、言葉が出てこない。
しかしながら、流石にもう…冗談にしては、抱擁時間が長すぎる。
花奏は、カカシ先生から手を放し、身体を離そうとする。
すると次の瞬間、優しい声が聞こえ、その動きを止めた。
「先生って、本当に…難しい立場だよな、そう思わないか?」
「…え??…立場?どうしたんですか。いきなり……」
「好きな人に好きだって言えないのよ。それぐらい重いのよ。師弟関係が崩れて強制になるでしょ?そんな事はしたくはない。」
「………カ、カカシ先生?」
「だからさ、鬼ごっこでも、今、花奏が積極的になってくれて、オレは嬉しいよ。オレに意識なんてしてくれた事無かったでしょ?」
身体を密着させて、カカシは独り言のように話を続ける。
「お前がオレの手を、払いのけないで、受け入れてくれてる事が本当に嬉しいよ。嫌か?今こんな事をされて……」
「……いえ、そんな事は無い…です。だけど…え?何か…今の言い方…まるで……わたしの事……、あ、冗談…ですよね?まさか、まさかわたしなんて」
焦る花奏から、少し身体を離し、目を細ませ、口布を下ろし、口角を上げた。