第18章 続き★サソリさん
「触りてえお前に……もう無理か?」
「!!!」
私の目は、
たちまち落ち着かない。
サソリさんの吸い込まれそうな瞳が私を射ぬく。そんなことを言われて返事に困った。
「そ、そそんなこと……」
触れたいだなんて……。だって昨日まで、触っただけで怒り心頭だったのに。
「お前とヤッて……オレは頭がイカれたらしい。我慢出来ねえ」
もう、その言葉を聞いて声は出ない。目を閉じて手を口に置いた。
猛烈に恥ずかしい。いつも私から好きだ好きだと言っていた。だから、こんな甘い言葉は、言われ慣れてない。
「……やめてくださいよ、もう……」
見上げれば、サソリさんは席を立っていた。
「え?」
私の腕を掴む。
「もう散々食べたろ、早くしろ。 行くぞ」
サソリさんは
私の腕を引っ張り
席を離れる。
「ちょ、ちょっと、サソリさん!」
髪がまだ濡れている。間近で見ると光に反射して綺麗。
店を出た。
暗い影が出来た細道を歩いていく。