第18章 続き★サソリさん
「気づかれないようにオレはお前を見ていた。 自分の気持ちに蓋をしていた。 惹かれてたのかもな……その頃から、花奏にオレは」
嬉しくて泣きそう。
「サソリさん。 なんだか……私たちカップルみたいですね」
顔を傾けて微笑んだ。嬉しい。そんなことを言われると、顔が笑ってしまう。
「ああ!?
テメエ、今なんて言った?」
目の下がピクリと動いて、ギロりと私を睨んだ。
「ええ"!? サソリさん!?」
ギョっとした私は、デザートを食べるのを止めてしまう。ひぃ。殺気のオーラが半端ない。
「……サソリさん?」
そう聞いても
無視。
とうとう
明後日の方向に
顔をむけてしまった。
どうしたの、サソリさん。
「……みたいじゃねえ」
聞こえたのは小さな声。
「……え?」
目をパチクリさせた。
なんだって?
「……みたいじゃねえだろ、オレらは昨日から。 訂正しろ。 そのケーキで終わりにしろ。 オレは足りねえ」
私はびっくりして、目を剥く。
「……た、足りない!?……え、え、ええ!?……サソリさん!?」
なにが!!?
動揺を隠せない。
サソリさんの横顔は真顔だ。
「…………サソリさん……」
かぁっと顔が熱い。 昨夜を思い出した。 終わりが来ない交わり。幾度も幾度もイき続けた身体。
私は昨夜を思い出すだけで、じんわり濡れてしまう。自分の視線を逸らして、下を向いて残りを食べた。
サソリさんの方に視線を
合わせれない。
「さっさと終わらせろ。
それで……また宿屋に戻ろうぜ。 お前に触れたくて仕方ねえからな、早くしろ」
……!?
ああ、
もうやめてほしい。
「は、はい……」
頬に手を置いた。顔に熱が帯びる。多分鏡を見なくても分かる。顔は真っ赤だ。耳も赤い気がする。
「なに照れてんだ、さっきの勢いはどこへいった」
「……だって、……」
私が顔を上げると、そっと頬にサソリさんの手がふれた。