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【NARUTO】他。短編集

第16章 ワールドトリガー 風間さん


「風間さん」

太刀川さんが言う。

「はーい」と4杯目のビールを
風間さんに笑顔で渡した。

「太刀川、気がきくじゃねーか。悪い」

ビールが満タンに入ったジョッキを受け取り、
風間さんは口にする。

「今日は風間さん、ピッチ早いし、早めに注文しておこうと思って」

焼いた餅を醤油に付けて、びろーんと、伸ばして食べる、太刀川さん。

太刀川さんは、前回、防衛任務だった。
前回の飲み会に奴は参加していない。

あの、"荒れた風間さん"を見ていない。
心底、太刀川さんは悔しがったと、あとから聞いた。

「場外模擬戦をしたかった」と言った。
冗談だと、みんなは流したが。


「……き、きさま」

荒れた風間さんを
この場で再現させる気?



「ん? 花奏ちゃん?
どうした? 目が般若みたいだぜ?」

知らぬ存ぜぬを突き通すか、太刀川さんよ。
大学の講義のレポートを助けたはずだ。
ここで恩を仇で返すか。

もうすぐ後期のテストがあるのだ。きさま知らぬのか。この恨み晴らすべからず。 ……なんか、口調が武士みたい。

と、とにかく、こんな戦闘バカは無視だ。今は風間さんだ。

風間さんは、いちばん端に座る。

そのとなりが、わたし。

前の席は菊地原くんと、歌川くんだったが、「明日テストだから」と言って早々と帰った。

ん?

弾バカではなく、出水も、槍バカじゃなくて、米屋も同じ学校だったはずだが、いいのかな?……まあ、いいのだろう。


つまりだ。わたししか、
風間さんを止めれない。


「花奏」

「は、い!」

声にならない悲鳴をあげそうだった。
持っているグラスが小刻みに揺れる。
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