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【NARUTO】他。短編集

第13章 三角関係(暁)サソリ


アジトを出たところで、デイダラは待っていた。私は通り過ぎて街の方へ歩いた。

「……デイダラ、ほらね?私の勝ちだよ? やらなくても分かってたんだよ。やっぱりサソリさんは…私なんか、見向きもしない」

勝ちだと言ったのに、負けたようだった。
拭いても拭いても涙が溢れて、ポロポロと頬を伝った。

サソリさんの名を呼んで
泣きながら歩いた。

情け無い。何歳なの?
バカみたいに泣いている。

デイダラに無理矢理
付き合わされたゲームだった。

違う。私は乗り気だった。
サソリさんの気持ちを確かめたかったのだ。どうして最近私を避けるの?と。

デイダラに変幻して聞けば、
教えてくれると思った私はバカだった。

結果は散々だ。

"最近特に鬱陶しい"

知らなかった。
そこまで私は嫌われていたらしい。

しかも、私は逆切れのように言い返した。

あんな言い方をすれば、
もっと嫌われてしまうかも
しれないのに。

カッとなってしまい、
つい我慢が出来なかった。

デイダラと付き合え、なんて
出来るわけがないのに…。


「デイダラ…ごめんね、私ちょっと、帰るね」

涙目で、デイダラの方を見ようとしたら、腕を引き寄せられて、抱きしめられていた。

「……デイダラ?」

「……花奏、泣くな、オイラが悪かった…。旦那が、あんな酷ェこと言うとは思わなかった、うん……」

声がいつもの、からかうような声じゃなかった。
真剣だった。

「違うよ、私が…しつこいからダメなんだよ。少しでも嫌いになれたら良いのに。サソリさんが、私はどうしても、好きなの……」

吹き出して笑うデイダラは、
大きく溜息を吐いた。

「報われねーな、お前は。……なあ、飯行こうぜ、うん!オイラ負けだしな、奢ってやるよ」

身体を離して、ガシガシと頭を撫でたデイダラに、私は涙目で笑った。

「ありがとう、デイダラ」
「ああ、花奏は、そうやって笑ったほうが可愛いぜ、うん」


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