第13章 三角関係(暁)サソリ
変幻の術を解いた私は、サソリさんを目で訴えた。こちらを見なくても、真っ直ぐに見つめた。
「私は、サソリさんが好き…変わらない。ほかの誰かなんて、考えられない。何年あなたを見てきたと思ってるんですか? アカデミーからですよ?」
「そんなこと、言われなくても知ってる。しつけーからな、お前は」
私はかぶりを振った。
「知らない。全然分かってない。サソリさんは私を見ようとしない。 私は子供が欲しいなんて言いました? 結婚したいって言いました? だれが幸せって決めるんですか?自分じゃないんですか?自分で人生って選ぶんじゃないんですか?」
「……デイダラは優しい。アイツは泣かせねーよ」
その言葉に乾いた笑いが出た。
好きだと今まで、何回も告白してはフラれてきた。それでも、誰かの名前を出して、サソリさんが振ったことは一度もなかった。
「泣いて ぐしゃぐしゃになっても、私は、サソリさん以外選ぶことはありません。あなたが好きなんです。 それは生涯変わらない、私はあなたしか見えないんですから」
涙を浮かべながり、ゆっくりと立ち上がり、
アジトを静かに出た。