第13章 三角関係(暁)サソリ
「酷い、酷いよ、サソリさんのバカァァア!!」
シクシク泣きながら、ビールを飲んだ。居酒屋でビール3杯目。まだいける。余裕だ。今日はやけ酒をしようと私は決めている。
サソリさんが、もしかしたら、追いかけてくるかも、とか思った私はバカだった。やっぱり来なかった。
「うるせーんだよ、花奏、静かにしろって、うん」
「……デイダラ、何がダメなの?私の何がダメなの?顔?胸?色気?頭?」
「オイラは、そう見えねーけどな、最近特に、我慢出来ねーんじゃねーの、うん?」
「我慢?我慢ってなに?しつこ過ぎて、殴りたいってこと!?」
デイダラは、私の問いに、しかめた顔をしながらビールを飲んだ。
「いや、そうじゃねーよ。だいたい、サソリの旦那はお前が嫌いだなんて言ってねーじゃねーか、うん」
「サソリさんに嫌いだなんて、言われたら、死ぬ!」
「……お前、バカだろ、……ってなんで、テメェがいるんだ、トビ!」
「いや、こんな面白い状況見逃したらもったいないって思いまして」
デイダラのとなりにちょこんと座るトビは、陽気に喋り、デイダラの神経を逆撫でした。
「邪魔なんだよ、オメェ、どっかいけよ、うん」
「またまたぁ、デイダラ先輩ったら、冗談がお上手っスね」
「はぁ!?殺すぞ、テメェ」
二人のやり取りを見て、小さく吹き出した。