第13章 三角関係(暁)サソリ
ーー2日後ーー
サソリがアジトで傀儡の手入れをしていれば、デイダラが機嫌を伺いながら近寄った。
「旦那、旦那。話があるんだ。 いいか?」
「なにしてんだ、お前」
サソリは威圧的に、デイダラへ睨んだ。
「な、何って、普通に話しかけただけじゃねーか、うん」
サソリは小さく舌打ちをして、傀儡の手入れの続きを始める。デイダラは、となりに腰掛けた。
「さっさと要件を言え」
「…………旦那、オイラ、花奏のこと、す、好きかどーか、分からねーが、気になってんだ、うん」
デイダラは頬を赤く染めて、言いにくそうだった。サソリは手を止めずに、傀儡の方を見たまま、作業を続けた。
「そりゃ良かったな」
「旦那、なんで最近花奏を避けてんだ? 誰が好きかなんて、旦那が一番よく分かってんじゃねーか」
「……最近、特に鬱陶しいって思っただけだ。 デイダラ、お前が花奏と付きやってやれ」
その言葉を聞いた途端、デイダラは目を大きく見開く。
信じられない……と
呟いた声は震えた。
「オレは傀儡だ。子供は作れねぇからな。 デイダラ、お前だったら作れるだろ? 花奏を幸せに出来る。結婚でもしてやれ」
少し黙ったまま、一呼吸置いた後。目が滲み出したデイダラは、変幻の術を解いた。