第12章 サスケ君
ふと、パチパチと火が風で揺れる音で、眠りから覚めた私は、薄く目を開ける。暖かい焚き火は小さくなり、もう消えかかっていた。
「……っ!!」
サスケ君は、まだ私に寄りかかるように寝ている事に、小さく驚く。自分も任務明けで疲れていた。
サスケ君の身体を私に肩に寄りかかるように寝てもらい、私も、サスケ君に寄りかかるように寝た。
こっそり恋人同士みたいだな、なんて幸せな気持ちになりながら目を瞑った私。
目を覚ませば、きっと、サスケ君は私の前から、いなくなっているだろう。だからせめて、サヨナラをしたくなくて目を瞑った。
外を見れば、もう雨は上がり、真っ黒だった雲は無くなり、夕焼けに空が赤く染まっていた。
「……サスケ君、そろそろ……」
「……ん……っ!!!」
ガバッと状態を起こし、座りながら私を目を見開いて見つめるサスケ君。びっくりしたみたいで、固まったまま。
「サスケ君、結構寝ちゃったね、あはは……」
笑ってサスケ君に明るく声をかけてみた瞬間、たちまち頬が赤く染まるサスケ君。
「……悪い……」
言いにくそうに頬を染めながら言われて、私もつい釣られてしまい、顔を真っ赤にしていた。
「えっ!!?う、ううん!平気……!」
サスケ君は、私から直ぐに離れ、外に向かった。私も背中を追いかけるように立ち上がって洞窟の外に出て行った。