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【ペルソナ5】トーキョーベイビー

第1章 きつねの窓



「え、ちょっ、行く手立てが決まり次第旅立っちゃうって事!?」


「勿論だ」


「怪盗団は!?」


「声が大きいぞ。・・・怪盗団については、ジョーカーがいれば何とかなるだろう」


「そりゃきっとそうだけど・・・」


「しかし、これは相当に難しい。芽衣子、お前も資金調達を手伝ってはくれないだろうか」


「え?何で?」


「当たり前だろう。二人分の旅費ともなると結構な額になるぞ」


「・・・二人分?」


「俺とお前の分だろうが」


「はっ・・・!?」


またも唐突な発言に今度こそ芽衣子は混乱する。


「お前と怪盗団に入ってから、ずっと感じていた。お前が傍に居るとインスピレーションがどんどん沸いて来るんだ。」

「え・・・」

「今の俺はもうお前を手放す事は出来ない。嫌だと言っても連れて行くからな。」


不意に祐介の長く白い指が芽衣子の後頭部を包み込む。
そのまま抱きすくめられ、芽衣子は言葉を失った。

「体温が低そう」祐介の持つそんな印象とは裏腹なぬくもりが芽衣子を包む。


ふと芽衣子は正気に戻る。
抱きすくめられている場所に問題がありすぎたからだ。

コーヒーとカレーの香りが充満するここはルブランの店内。

しかも、カウンター席のど真ん中だ。


「おい。イチャつくんなら外でやんな」


いつの間にかカレーの仕込みを終え、カウンターに戻って来た佐倉惣次郎が呆れた顔でため息を吐く。

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