第1章 雄英高校入学試験
そう言って優しく触れた頬に、実技試験で切ってしまったことを思い出す。
傷口も浅く、既にうっすらカサブタになっているので痛みも無くすっかり忘れてしまっていた。
『あぁ、実技試験でちょっとね。でも、これのおかげで友達ができたんだ!』
まさか入試で友達ができるなんて思ってもおらず、嬉しさで切島を見上げている顔が緩む。
「ちょっとってお前、嫁入り前の女が顔に傷つくっといて…ったく」
『そんなの雄英のヒーロー科入ったらしょっちゅうだよ。それに、もし貰い手がいなくなったら鋭ちゃんに貰ってもらいますぅー』
てゆうか嫁入り前ってなんかおじさんくさいよー、と笑っていると
真剣そうな切島に呼びかけられる。
「…雄英合格したらさ、一個頼みたいことあんだけど…いいか?」
『え、うん。いいけど…珍しいね、鋭ちゃんが頼み事なんて』
普段あまり聞きなれない言葉に少しびっくりしつつも返事を返す。
すると、いつもの優しそうな顔に戻りクシャっと私の髪を撫でた後、ゆっくりと歩きだした。
「そういえば同じ学校の芦戸、筆記が過去最高に自信あるんだとよ」
『そっかぁ、三奈ちゃんも一緒に3人で合格できるといいなー。』
あとは結果を待つだけだ。