第1章 雄英高校入学試験
彼は一瞬きょとんとしたあと笑いながらもこう言った
「心操人使だ。よろしく」
『心操くんね、私は白水零。よろしく』
お互いに打ち解けたところで、リカバリーガールがこの試験場にやってきた。
ざっと見たところ大きな怪我を負っている人も居ないのでそんなに時間はかからないだろう。
「そういえばすごい個性だったな。水を操るのか?」
『そうだよ。温度も調節できたりするの。心操君はどんな個性なの?』
自己紹介の一環で個性の話になることはよくあることだった。
ましてやここは雄英高校のヒーロー科試験場
だからこそ、心操君の顔が歪んだことにすぐ気づけなかったのかもしれない。
「…洗脳なんだ、俺の個性」
ハッとして彼の顔を見ると、諦めたような悲しい顔をしていた。
『じゃあ、この試験…』
「1ポイントも取れてない。まあ、こうなることも予想済みで普通科も併願しといたよ」
それでも、と言葉を続けようとするのを食い気味に言葉を被せる
『雄英ももったいないことするなー。実際のヴィランは人間なんだし、洗脳なんて初見殺しもいいところ。個性の相性が悪いなんてことも滅多にないし、すごいヒーローになれるのにね。』
そうじゃない?ともう一度彼を見ると、驚いたようなそれでいて泣きそうな顔をしていた。
「…どうだろな。でも、お前が分かっててくれるならそれでいいよ。」