第2章 個性把握テスト
第五種目 ボール投げ
ボールを投げると同時に手のひらに圧を高めた水を放出し、記録126.3メートル
正直なところ、みんなみたいに何か一つ大記録が欲しいところだ
あとは持久走、上体起こし、長座体前屈だけ。
……長座は水圧で体押しつぶしたらちょっとは伸びるかな
「零、聞いてる?」
『え!?…っと、ごめん。なんだっけ』
「あの人、緑谷…だっけ?個性つかってるっぽい記録まだ何も出してないの。零は緑谷の個性なんだと思う?」
響香の指さした方へ視線を向けると、緑色のもさもさとした髪の男の子がボールを持って円の中に向かっていた
顔色が悪いように見えるのは個性の使いどころがこれまでなかったからなのか、はたまた何かしらの理由で個性が使えないのか
『うーん…緑谷君、多分だけど頭いいと思うんだよね。勉強ができるとかよりも物事をしっかり考えてから動けるとか』
「…ん?どゆこと?」
『簡単に言うとスポーツIQが人より優れてるってこと。そんな人が個性をここまで使ってないってことはそれなりの理由がある個性なんだと思う……んだけど何かまでは流石に分かんないかな』
話しながらも視線はそのまま緑谷君から外さず観察を続ける
彼が投げようと振りかぶったとき何かが違ったように見えた。が、それは担任の相澤先生によって阻まれてしまった。
…もしかしたら、この競技で緑谷君の個性が見られるかもしれないな。