第1章 雄英高校入学試験
「そういえば、まだあれ教えてもらってないぞ」
『あれって?』
「俺が零のヒーローって話。」
んなことあったか?って顔をしてちょっとだけこっちを見る
『…小学校の時にさ、なんで白水にはお父さんとお母さんがいないんだ、ってクラスの子にしつこく聞かれてたの覚えてる?』
「あー、小3くらいだったか?」
『そうそう。あの時は私自身まだ両親がいないの受け止めきれてなかったし、私のほうが聞きたいくらいだったの、なんで私にはお父さんとお母さんがいないのって。』
鋭ちゃんは私が話しやすいように相づちだけうって黙って話しを聞いてくれる。
『おばあちゃんに聞いたら悲しんじゃう気がして聞けなくて、私にも分からない両親のことをどうやって答えればいいのって、クラスの子の興味が無くなるのを待つしかできなかった』
ここまでしっかりと昔を思い出すのは久しぶりで、懐かしい思い出に心が浄化されるような感覚になる
『そんなときだった。ずっと聞いてきた子達を蹴散らして、大丈夫だからなって手を差し出してくれたの。』
振り返って目が合ったその顔は、記憶の中の彼よりも大人っぽい顔つきになった。
『今も両親がどこにいるかわからないけど、おばあちゃんがいて鋭ちゃんや鋭ちゃんママとパパがいる。なんかもうそれだけで充分だなって思えるようになれた。』
『私を助けてくれて、ありがとう。』