第1章 雄英高校入学試験
『おじゃまします。』
久しぶりに入る幼馴染の家は少しワクワクした。
最後に来たのはいつだったっけなんて考えながらちょっとだけ前を歩くその後ろ姿についていくと1つの部屋に着いた。
『…変わってないね。鋭ちゃんの部屋』
「そうか?あんま気にしたことないからわかんねー」
最後に来たときと同じように憧れのヒーローのポスターと、大漁と書かれた旗が壁に飾ってあった。
それでもよく部屋を見渡すとダンベルが増えていたり受験勉強で使ったのであろうテキストが本棚に並んでいたりと少しずつ変化があるのが分かった。
「零、髪染めたいんだけどさ手伝ってくんね?」
椅子に座ってもらい、カラー剤を丁寧に塗っていく。
『…鋭ちゃんはいつも急すぎると思います』
「だから受かったら頼みたいことあるって言ったろ?」
色ムラができないよう少しずつ髪をすくう手を止めずに会話する
髪をいじられるのが気持ちいいのか目を閉じたまま返事をする鋭ちゃん
『決意表明?』
「そんな感じ。雄英でヒーロー目指すんだ、弱い自分は置いていく。」
あぁ、きっと彼はこれからもっと強く大きい男の子になるんだな。
小さい頃から私のヒーローだった。でもこれからはみんなのヒーローになるんだな。
そう思うと自分のことのように嬉しくなった。