第4章 一寸混ざった、世界のお話
「一寸、森の方に行ってくるわ」
「「我々も…」」
「否、いい。手前等は此処に居ろ」
中也は手をヒラリと振りながら部下達の言葉を遮り、部屋から出ていったのだった。
シーンとした空気が流れる。
気まずくなったのか。部下其の1が○○氏に質問を行う。
「あの、この部屋は大丈夫なんですか?」
「一応、部屋の入り口に盛り塩をしておりますので大丈夫かと思いますが、御手洗い等で廊下に出る際はお気をつけ下さい」
「……森みたいに迷うとか?」
「いえ。鏡のある部屋だけ辿り着けない事がありますが、基本、家の中は迷いません。ですが呻き声のような音や足音とか………」
○○氏の話を聞いてトイレは必ず2人で行こうと決めた部下達だった。