• テキストサイズ

【文スト】対黒・幻

第4章 一寸混ざった、世界のお話


ーーー

「で?手前は何時まで居座る心算だよ」

「え?『中也』が『帰れ』と命じるまでだけど」

「……。帰れ」

「あ、ごめん。『治』と一緒に命じないと駄目だった」

「はぁ?!」


先刻まで好き放題食べ飲みを行って、洋服の洗濯が終わったと同時に帰っていった太宰。
要は、遅かったのだ。


「先刻、二人で『待て』と命じられたからね」

「そーゆー事は先に云えよ!」

「訊かれなかったから居て欲しいのかと思って」

「……。」


正直なところ、中也は困惑していた。
帰したくないとさえ思ったのは自分の意思か、それとも転生したという魂のせいだろうかーーー。


そして、判っていた。
太宰もそれは絶対に望まないことをーーー。



「……居座るなら家事を手伝え。それが条件だ」

「見たことも触れたこともないモノで溢れ返っているのに家事を任せるのかい?」

「覚えろよ。頭は悪くねえだろ、きっと」

「努力する」

そういうと紬はふぁーと欠伸をした。

「じゃあ早速、あのフカフカのべっどとやらで休むね!」

「待て!あれは俺の寝台だ!手前は床で寝ろ!」

「『中也』のけちんぼ!こうなったら一緒でも良いから寝てやる!」

「はぁ?一緒に寝るだと?」

「?尻尾が邪魔かい?」

「………。」

まあ、でかい狐と寝るだけか、と納得して一緒に寝ることにする中也。





この日を境に、敵対組織にも関わらず部屋に入り浸る太宰も含め三人仲良く暮らし始めるのであった。

/ 90ページ  
※結果は非表示に設定されています
エモアイコン:泣けたエモアイコン:キュンとしたエモアイコン:エロかったエモアイコン:驚いたエモアイコン:なごんだエモアイコン:素敵!エモアイコン:面白い
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp