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【文スト】対黒・幻

第3章 一寸先の、未来のお話


ーーー

太宰と敦、そして芥川は倉庫の屋根から無事に侵入をはたしていた。

「さぁて、犯人はどこかなー」

「そう簡単に見つかりますかね?」

「大丈夫だとも。彼方が派手に登場したようだけど戦闘要員のお出迎えではなかったようだからね」

耳に嵌めている通信機からの音を聴きながら太宰は云った。
繋がっている相手は妹である紬。
通信は二人のみ行っていた。


「つまり、此方の侵入は奴さんにバレているということだね!」


明るくそういった瞬間だった。

ゴウッ!!!と炎が襲ってきたのだ。


「「「!?」」」


バッと飛び跳ねてそれを交わすと、次にきたのは銃弾の嵐だった。


「太宰さん!」

「私は大丈夫だから君達は異能を奪っている人間を特定するんだ!」


「はい!」
「承知!」


そう云って用意してきた武器を取り出す。
炎を操る男に向かっていく。
ところが、その横から銃を発砲してくる人間が四人邪魔をして前にも進めない。

「芥川!作戦暗号ーーー犬と笛」

「僕に命令するな!」

そう云いながらも息ピッタリの行動をする二人。


「なかなかやるようになったねぇ」


感心したようにそれを見ているとジャキッと後頭部から音がする。

「「太宰さん!」」

「私のことは気にしないで続け給え」

余裕の太宰を気にしつつも敦達は一人ずつ丁寧に片付けていく。
そんな時だった。
黒い何かが、芥川に向かっていった。

「芥川っ!!」

「人虎!?」

それに気付いた敦が芥川を庇うようにドンと押した。

ドォォオォン!!

そのせいで敦が激しく壁に叩きつけられたのだった。
そこに追い討ちをかけるように一斉射撃を仕掛ける連中。

「チッ!」

芥川が少し焦ったように其方に向かった。

が、心配は要らなかった。


「『月下獣』!!」


虎が、舞い降りたのだった。


「どうやら向こう側がやってくれたようだね」

「くそっ!貴様は死ねっ!!」


「「太宰さん!!」」


カチッ、カチッ。


「おや?故障かい?」

「グフゥッ!?」


故障なのか。
引き金を引くことが出来ずにいたところに太宰の回し蹴りが綺麗に決まったのだった。


敦の異能が戻ったことにより戦況は大きく変わり、その場にいた全員を拘束し、芥川の異能を奪った人間を特定することが出来たのであった。
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