第2章 一寸前の、黒が欠ける前のお話
太宰と中也はそろりと紬に近付いた。
その際に通り過ぎた男が何か喚いているが無視した。
「……。」
黒服の男三人は紬の足元で全員事切れていた。
それを一瞥すると太宰は紬の拘束を素早く解く。
「中也」
「解ッてる」
そう云うと太宰は自分の着ていた外套を紬に着せて抱き上げた。
その直後、中也が素早く○○の足の骨を砕いた。
「があぁっ!?」
一瞬のことで呻くことしか出来ない男を太宰も脚蹴りし、部屋の扉へ向かう。
「紬を休ませたら直ぐに戻るから未だ殺さないでよ」
「了解。殺しさえしなきゃあ、良いんだろッ!!」
太宰が部屋を出ると同時にぎゃぁぁあぁあ!!!とけたたましい声が上がるが太宰は気にすることなく部屋を後にしたのだった。